配偶者居住権って知っていますか?

こんにちは。

戦う税理士の小栗です。

11月に出しました私の新刊

「日本一やさしい事業承継の本<増補三訂版>」も

おかげさまで順調に売れているようです。

まだお読みになっていないようであれば、

ぜひ手に取ってみてください。

目から鱗は落ちませんが

「そうだよな~」といった気づきが

たくさんある本だと思います。

さて、

民法改正により令和2年4月から

配偶者居住権が創設されていることは

ご存じのことと思います。

その名の通り、

自宅の相続後に

配偶者の居住する権利を

明確に決めようというものです。

ということで、

今日の「難しくてためになる話を優しく解説」するメルマガは

「配偶者居住権って知っていますか?」です。

配偶者居住権は、

夫婦の一方が亡くなった場合に、

被相続人が所有していた自宅に

残された配偶者が

住み続けることができる権利(民法1028)です。

また遺産分割や遺贈等で

配偶者居住権を設定することにより、

自宅の所有権を子に相続させても

配偶者は自宅に居住し続けることが

権利上可能なうえ、

自宅の所有権を取得しない代わりに

配偶者は自宅以外の財産を

より多く相続できることになり、

今後の生活費を確保しやすくなる等の

メリットもあります。

これが一般的な使い方ですね。

上記のケースで言えば、

相続により自宅の所有者となる子に承諾を得れば、

配偶者は設定した配偶者居住権に基づいて、

自宅を第三者に賃貸するといったことも

可能になります(民法1032③)。

このケースでは、

配偶者居住権に基づき配偶者が自宅を賃貸した場合、

あくまで賃貸人は

自宅の所有者である子ではなく配偶者であるため、

その自宅に係る賃料収入は

配偶者に帰属することになります。

相続した後に

自宅を改修して賃貸に出すという事はよくあります。

その時の賃料を

誰に残していくのが

最も適切なのかについては

相談も多い事案です。

不動産の収入は原則として

「所有者課税」になっています。

将来の相続を考えると

別の者に賃料が入るようにしたいと思っても

自由にできるわけではありません。

こんな時には「不動産所有法人」を使ってみたり、

建物の贈与を実行してみたりと

色々な対策があるのですが、

この配偶者居住権を使っても

同様の効果を出すことも可能だという事です。

特に、

相続後の配偶者(妻)の収入源を

どうするのかという点は悩むものです。

多額の現預金を相続してもらっても

二次相続を考えると得策ではない気がするし、

かといって年金だけの収入では足りない・・・。

家庭環境は様々ですが、

民法の改正で

これらの対策にも

バリエーションが増えていますので、

お困りの時にはぜひ

税理士法人STRまでご相談ください。

では、次回もお楽しみに。

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