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日経事業承継カンファレンスを今年も開催します。No.951
戦う税理士の小栗です。
10月になり、すっかり秋らしくなってきました。
まだ暑い日もあるのですが、朝晩は涼しくて、
むしろ肌寒さを感じる日もあるくらいです。
季節の変わり目ですから、小栗さんも体調には十分にお気を付けください。
さて、毎年の恒例行事となりました。
「日経 事業承継カンファレンス in 名古屋」を
今年も10月27日(金)に開催をいたします。
年々募集人数も増え、今年は120名の定員で募集をしております。
場所も名古屋駅に程近い名古屋国際センタービル 別棟ホールでの開催ですので
お時間がありましたら、ぜひお聞きいただければと思います。
特に今回は、自社株対策と言っても株価対策ではなく
「議決権(経営権)の対策」に重点をおき、
少数株主からの防御や信託契約を使った新しい手法など
多方面の切り口から事業承継対策のお話をいたします。
「議決権分離型信託契約」は当事務所でも最も力を入れている対策ですが、
いかに低コストで後継者に議決権を集中させるか、
あるいは、株式は親族に渡していくが経営権は確保していくなど
各種の場面での利用が期待できる新しい手法です。
中小中堅企業の事業承継が困難さを増していく状況ですが、
当事務所としても更に研鑽を重ねまして
お役に立てるようにしてまいりますので、よろしくお願いいたします。
当事務所の宣伝ばかりになってしまいましたが、
少しだけ最近の注目の判例をご紹介しておきましょう。
自社株対策や法人税の節税で欠かせないのが
「組織再編税制」です。
合併、株式交換、会社分割といった手法ですが、
便利である反面「組織再編に係る行為又は計算の否認」という
「租税回避行為に該当する場合には適法でも否認します」という規定があるのでとても緊張します。
なにしろ適法でもダメだというのですから、
どこまでが大丈夫で、どのような場合が駄目なのかということが明示されていませんので
皆さんが不安がるのも無理はありません。
今回取り上げるケースは、
赤字を抱えている子会社を、グッド会社とバッド会社に分割をした上で、
バッド会社を親会社に吸収合併させたという事例です。
企業再生ではよくありそうな話ですが認められませんでした。
では、この会社はなぜこのような手法を選択したのでしょうか。
動機は明白です。
子会社を活かしつつも、赤字を親会社に移して利用したかったということです。
通常、100%親子関係のある合併では繰越欠損金の引き継ぎは認められています。
今回は営業権を別会社に移した上で
欠損金のみを親会社に引き継ごうとしたという所に
プランニングのミスがあったのではないかという気がします。
租税回避行為ではないということを立証するのは納税者側です。
このケースも、分社後の両社の利益計画や借入金の返済計画などを提示して
分割と合併に合理的な理由があることを説明できていれば
何も問題はなかったのではないか、
そんな気がします。
税法は深く入れば入るだけ迷路になってきます。
そんな時には
「なぜ」それをしなければならないのかを説明できるか
という観点に立ち返ってみてください。
では、次回もお楽しみに。