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戦う税理士 小栗のメールマガジン
「インボイス制度が始まって1年が経ちました」No.970
皆さん、こんにちは。戦う税理士の小栗です。
このところ寒暖の差が激しくなってきたので、着るものに困ったりしますね。
できるだけ荷物は減らしたいのですが、
結局ジャケットを手に持ってお出かけをすることになります。
さて、今年10月でインボイス制度が始まって1年が経ちました。
この制度、皆さんもご存知の通り、
売手から受領したインボイスを保存することで
仕入税額控除を適用できるというものです。
しかし、クレジットカード会社から受領する利用明細書等は
基本的にインボイスに該当しないこと、ご存知でしたか?
ということで、
今日の「難しくてためになる話を優しく解説」するメルマガは
「インボイス制度が始まって1年が経ちました」です。
クレジットカード会社が交付する利用明細書等は、
カード利用者に対して売手である事業者(カード加盟店)が作成・交付する書類ではありません。
また、カード加盟店の氏名や登録番号が記載されていないため、
消費税法に規定する「請求書等」にも該当しないことになります。
つまり、クレジットカード会社が作成した
利用明細書等のみを保存しても、仕入税額控除の適用を受けることはできないということです。
「カード加盟店」からもらった領収書等のインボイスを保存することで、
初めて仕入税額控除が適用されるのです。
このあたりは未だに間違いが多いところですので、ご注意いただきたいですね。
ただし、「少額特例」や「公共交通機関特例」、「出張旅費等特例」など、
インボイスが不要で帳簿の保存のみで仕入税額控除ができる特例の対象取引については、
利用明細書等の記載に基づき仕入税額控除の処理を行っても問題ありません。
なお、カードの年会費等はクレジットカード会社とカード利用者との間の取引ですから、
クレジットカード会社はカードの年会費等を対象としたインボイスをちゃんと交付しています。
どうでしょう、
普段から何気なく利用しているインボイス制度ですが、以外にも奥が深いですね。
このように新しい制度やルールは複雑ですが、しっかりと理解しておくことで
実務のトラブルを避けることができます。
トラブルのほとんどは「知らない」ということから発生しています。
困ったときにはネットで調べるという方も多いと思いますが、
悪いとは言わないのですが我々専門家が見ると、
必ずしも適切ではないと思われる回答がネット上には蔓延しています。
これはAIでも同様ですから、できるだけ専門家のアドバイスを受けるようにしてください。
では、次回もお楽しみに。
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