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戦う税理士 小栗のメールマガジン
「自社株に相続があった時の法律を整理してみました(前半)」No.971
皆さん、こんにちは。戦う税理士の小栗です。
秋はセミナーの依頼が多いので、全国を飛び回ることになります。
特に大きな会場で行う講演会は緊張とともに気持ちも昂ってくるものです。
何回やっても慣れるということがないのが、セミナーの醍醐味かなと思っています。
さて、セミナーの中でも自社株に相続があった時の話をよくするのですが、
「自社株の相続は、その他の財産の相続とは違うんですよ」
という重要な論点がなかなか伝わっていないようです。
今日はそのあたりの話を簡単にまとめてみようと思います。
ということで、
今日の「難しくてためになる話を優しく解説」するメルマガは
「自社株に相続があった時の法律を整理してみました(前半)」です。
企業のオーナー様に相続が発生すると、その財産の中に自社株が含まれていることが多いと思います。
通常は、遺言がなければ相続人全員で話し合いを行って遺産分割をすると思います。
話し合いがまとまらなければ、調停や裁判になることもあるが
大体は法定相続分で落ち着くのだろう・・・このくらいに思っている方は多いです。
ですが、不動産や預貯金といった資産と違い
「自社株だけは特別」なのだと覚えておいてください。
まずは自社株に相続が発生した時には、その自社株は「準共有の財産」と言って
分割が決まるまでは相続人みんなの財産となります。
それなら、ほかの財産だって同じじゃないの?と思いますよね。
ですが、自社株には会社を経営する権利、つまり議決権があります。
まだ誰のものかが決まっていない状態のときには、この「議決権」は誰が行使をするのでしょうか。
問題はここなんです。
セミナーで使う簡単な事例で解説しますね。
発行済株式2,000株の会社です。
お父様は1200株を持ったまま亡くなってしまいました。
遺言はありませんが、生前にご長男(現社長)に800株を生前贈与してありました。
相続人はお母様と長男、次男です。
法定相続分で分けるとすると、お母様600株、長男300株、次男300株ですから、
長男は自分の800株と合わせれば1100株で
過半数を超えますから経営は安泰だと思っています。
ここから事件は起こります。
お母様と次男は弁護士と相談をして
相続財産の1200株の自社株の議決権の行使は次男ができるとして、
臨時の株主総会を開いて長男を解任して会社から追い出してしまいました。
生前に1株も持っていない次男がなぜそんなことができるのか?と疑問に思うはずです。
これが自社株の「準共有」の恐いところなんです。
なぜこのようなことになってしまうのかという種明かしは
次回のメルマガでお伝えしますね。
では、後半もお楽しみに。
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