戦う税理士 小栗のメールマガジン 

「民法の相続と相続税の相続は結構違いがあるのでご注意ください」No.977

皆さん、こんにちは。戦う税理士の小栗です。

期末が近づいてくると大手の会社を中心として定期異動の話が私のところにも聞こえてきます。

「東京に転勤になりました」「もう一年残留です」など

日ごろからお付き合いのある方々からご連絡をいただくのですが、

少なからず仕事上もお付き合いのある方が異動になると少し寂しい気持ちになりますね。

さて今日の話題ですが、

我々専門家にとっては当たり前の知識だと思っていることが

一般の方には違和感を覚えることがたくさんあるようです。

特に民法の常識は税法の常識とずれていますから面食らうことも多いようです。

ということで、

今日の「難しくてためになる話を優しく解説」するメルマガは

「民法の相続と相続税の相続は結構違いがあるのでご注意ください」です。

相続は人生で何度も経験をするものではないので、あまり詳しい知識がないのが普通です。

それでも皆さんよく勉強をされていて

「相続人は配偶者と子供が二人なので、

法定相続分はそれぞれ2分の1、4分の1、4分の1になるんですよね」

などとよく知っていらっしゃいます。

相続に関して何が難しいのかというと、

民法で定められている相続のルールと相続税法で定められている相続のルールに違いがあることです。

これによって思わぬ勘違いをすることも少なくありません。

今日は少しだけご紹介をしてみます。

① 養子の取扱い

・民法では養子縁組をした日から相続人となります。

・相続税では養子は相続人ですが、実子がいる場合には1人まで、

 実子がいない場合でも2人までと制限があります。

② 死亡保険金や死亡退職金の取扱い

・民法では死亡保険金や死亡退職金は受取人の固有財産なので相続財産にはなりません。

・相続税では「みなし相続財産」として相続税がかかります。

③ 胎児の取扱い

・民法では胎児は生まれたものとして相続権があります。

・相続税では胎児はいないものとして相続税の計算をします。

どうでしょう、主だったものでもこれだけあります。

他にも相続開始前7年以内に贈与を受けた場合や相続時精算課税制度を利用した孫の場合、

遺産分割の期限の問題、など民法では決め事がなかったり、

相続税で制限がかかっていたりして民法だけの知識では納税額が増えてしまうケースがたくさんあります。

私は、民法の勉強はしておいた方がいいですよ、とよく言っているのですが

相続税との違いの部分については経験が大きな差となりますので、

やはり専門家の意見を聞いてみるのが得策だと思います。

では、次回もお楽しみに。

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