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戦う税理士 小栗のメールマガジン
「交際費では得意先を乗せたタクシー代のミスに注意してください」No.981
皆さん、こんにちは。戦う税理士の小栗です。
3月決算の会社は、今まさに決算処理で忙しい時期ではないでしょうか。
私どもの事務所でもてんやわんやが続いています。
忙しすぎて税制の改正情報をフォローする余裕がない、という声もよく聞きますが、
今日はそんな皆さまへのお役立ち情報です。
ということで今回の
「難しくてためになる話を優しく解説」するメルマガは、
「交際費課税 得意先を乗せたタクシー代のミスに注意」です。
令和6年度の改正により、「飲食費」の基準が1万円以下に引き上げられたことは
皆さんもご存知だと思います。
これにより、多くの企業が接待機会の増加を実感されているかもしれません。
ただし、この改正によって注意をすべき点もあります。
中でも見逃しやすいのが、得意先を乗せたタクシー代の取り扱いです。
まず飲食費と送迎費の違いはどこにあるのでしょうか。
法人税では、接待時の飲食費は一定条件を満たせば損金算入可能ですが、
得意先の送迎にかかるタクシー代や送迎車の費用は「交際費等」に該当し、
原則として損金不算入となります。
重要なのは、「送迎費は飲食費の1万円基準には含まれない」という点です。
例えば、1人当たりの飲食代が6,000円、送迎タクシー代が3,000円だった場合、
合計額が1万円以下でも、送迎タクシー代の3,000円は交際費扱いになります。
一方、飲食代9,000円の場合も同様で、タクシー代を合算せずに判定するため、
飲食代部分が1万円以下であれば損金算入可能です。
意外な例外もあるようです。
飲食店の送迎オプションサービスなどもありますが、
それでも主目的が「送迎」であれば交際費扱い。
ただし、送迎車内での飲食が主要な目的となる場合には、
例外的に飲食費とされるケースもあるようです。
決算期をまたいでタクシーチケットを使った場合も注意が必要です。
タクシーチケットを利用した場合、
決算期をまたいで支払いが行われることがありますが、
交際費の判定基準は「乗車日」となる点にもご注意ください。
支払日ベースで処理してしまうと誤りとなります。
このように、1万円以下だから大丈夫と考えやすい「交際費」ですが、
実は他にも注意ポイントはいくつもあります。
ぜひお時間のある時に、国税庁の「交際費等(飲食費)に関するQ&A」を読んでみてください。
我々も実務の指針にしており、かなり参考になります。
とはいえ、あまり難しく考えずに
新1万円基準では、旧5,000円基準を1万円に置き換えて
解釈するのがポイントですね。
では、次回もお楽しみに。
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