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贈与はそれほど簡単な話ではありませんというお話です。
こんにちは。
戦う税理士の小栗です。
今年の税制改正では
相続税と贈与税の
一体化課税が見送られたという話は
すでにお伝えしたとおりです。
ですから生前贈与(暦年課税)は
税制改正の前に計画的に
実行を検討しておくべきだというお話もいたしました。
将来税制改正があるのであれば、
今のうちに
贈与税を払ってでも
財産を贈与しておいた方が良いと
考えている方も
多いのではないでしょうか。
今日はそんな方々に向けたメルマガです。
ということで、
今日の「難しくてためになる話を優しく解説」するメルマガは
「贈与はそれほど簡単な話ではありませんというお話です」です。
相続対策と言えば
色々なテクニックがありますが、
まずは生前贈与を考えるのが王道とも言えます。
特に換金性のない自社株を
たくさんお持ちの経営者の方などは
どうすればよいのかと頭を抱えているでしょう。
そんな時には迷わず
当事務所まで
ご相談くださいという事なのですが、
いざ株式を移転(贈与)する時にも
色々な注意点があります。
自社株の話として進めますが、
その他の財産でも考え方は同じですので
じっくりと読んでください。
自社株の贈与と言えば、
「暦年贈与」
「相続時精算課税贈与」
「非課税の納税猶予制度」が
良く知られています。
これらの解説はまたの機会にいたしまして、
今日は民法の問題です。
将来相続人の間でもめごとが起こらないように、
後継者に
自社株を贈与しておくという事は
よくあることです。
しかし、
将来の遺産分割で
揉めないようにという趣旨での
生前贈与であれば
民法の規定も
しっかりと覚えておくことが必要です。
民法では
遺言書がある場合には、
生前贈与について
原則10年間は
遺留分侵害額の計算に
含まれることになっています。
遺言書がない場合は、
原則的には
贈与の時期に関係なく
特別受益として
遺産分割協議に反映されてしまいます。
つまり、
節税はできていますが
揉め事対策になっていないケースもあるという事です。
10年間という時間を有効に使うためには
遺言書は必須といってもいいでしょう。
でも遺言書も万能ではありません。
例えば
親が所有している財産を
全て長男に贈与してしまうなど、
明らかに他の相続人(遺留分権利者)に
損害を与えることを意図して行われる贈与については、
10年という期間に関係なく
遺留分の算定基礎に算入されてしまいますから
注意も必要ですね。
どうでしょう、
生前贈与も意外と難しいと思いませんか?
生前贈与くらいは自分でできるからと
専門家の意見を聞かずに
実行をすると
思わぬ落とし穴が待っていることもありますので、
十分にご注意ください。
私としては、
生前贈与はしっかりと行う。
そして残った財産も
遺言書できちんと定めるというのが
一番いいのではないかと思っています。
ベストとはいかなくても
ベターな対応策と言えるのではないでしょうか。
税理士法人STRでは
これらの問題を
税理士、司法書士といった
専門家と相談をしながら実行ができます。
遺言書(公正証書遺言)につきものの
証人の対応もできますから、
困った時にはぜひご相談ください。
では、次回もお楽しみに。